中國最古の炒鋼製醫療用針、海昏侯墓から出土
ソース:新華社作者: 2025-06-27 15:10
海昏侯墓から出土した玉管と鋼鉄の醫療用針。(南昌=新華社配信)
中國江西省文物考古研究院はこのほど、同省南昌市にある前漢時代の諸侯墓、海昏侯劉賀(りゅう?が)墓から出土した針狀の金屬が、銑鉄を溶かして鋼鉄にする「炒鋼法」によって作られた最古の醫療用針であることを最新の考古學調査で確認したと明らかにした。當時の醫療機器の材質や形狀の変遷を直接示す史料は中國における鍼灸の発展を研究する上で極めて重要な意義を持つ。
発掘チームを率いる楊軍(よう?ぐん)氏によると、醫療用針は墓の內棺に納められていた金漆木箱內の玉管から見つかった。埋葬環境の影響により、保存狀態は悪く、複數のさびた斷片となっていた。楊氏は「玉管の斷面に少なくとも5本の針狀物を確認できるが、引き出せるのは1本だけで、何本かは破斷した狀態で中に殘っている。表面の付著物には泥狀の織物が含まれている」と説明。清潔さと持ち運びしやすさのために針狀物を布で包んで玉管に入れたと考察した。
海昏侯墓內の金漆木箱內にあった出土品。(南昌=新華社配信)
文化財保全のため、研究員らは針狀物を全て取り出さず、玉管の殘片の一部と、保存処理過程で玉筒から抜けた針狀物の斷片のみを対象に検査や分析を実施し、斷面の直徑が0?3~0?5ミリの炒鋼製品と確認した。
北京大學國學研究院の王楚寧(おう?そねい)博士は、出土した「九針具一」と書かれた札により、この針が醫學書「黃帝內経」に記載のある九針の一つで、明らかに醫療用だと話した。針の太さは現在の鍼灸針に近いという。
海昏侯墓の內棺に納められていた金漆木箱。(南昌=新華社配信)
中國中醫科學院中國醫史文獻研究所の周琦(しゅう?き)副研究員は「一般的な鉄鍼はさびやすく、繰り返し人體に刺すと感染癥を起こしやすい。金製や銀製の針は柔らかく容易に折れるため、細く仕上げるのが難しい。一方、鉄鍼は臨床現場でさまざまな治療に用いることができ、保管もしやすい」と指摘。今回の出土は鍼灸発展史における重大な発見であり、醫療用針が石製から金屬製へと質的に変化したことを裏付けるとの見解を示した。
同院中醫文獻研究室の顧漫(こ?まん)主任によると、出土した醫療用針はこれまでに発見された中國の鋼製醫療用針の中で最も古く、前漢時代の鋼鉄冶金史と中國古代醫學史における重要な史料となる。前漢時代には炒鋼法が中醫鍼灸針の製造に用いられ、材料學の進歩が中醫鍼用具の進化と鍼灸醫學の発展を促してきた。
編集:董麗娜
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